消費税15%による年金改革
橘木 俊詔
東洋経済新報社 刊
発売日 2005-08-31
税方式vs社会保険方式の論点整理に有用 ただし両者の溝は埋まらず 2005-12-16
要は「1階部分は全額消費税負担で定額給付、2階部分は民営化」という、絵に書いたような税方式論。経済的効率性に重点をおいた主張は経済学者ならではだが、「消費税の逆進性」批判に対抗するべく、食料品には低く贅沢品には高い「累進消費税」の導入を提唱するなど、消費税に抵抗を感じる向きにも配慮した姿勢を見せており心憎い。
しかし、税方式の優位性を強調するあまりに、自説のデメリットについては過小評価している感がある。読んでいて「消費税収や経済成長率だって人口年齢構成の影響は免れないのでは?」「関節税率の高いヨーロッパの経済成長率はさほど高くない」etcと税方式にも色々疑問が生じるのだが、本書では「大したことない」と切り捨てるか無視を決め込む(意図的かどうかは知らんが)かで、反論に対処しようとする姿勢が感じられないのが残念なところ。例えば「消費税の徴収漏れや益税問題は技術諭で対応すればよい」とのことだが、ならば社会保険料だって技術諭で徴収効率を上げれば良いという話にならないか? また、著者のゼミ生の見解を以って「若者も支持してる」とするのは、余りにもあざとい。「改革に妥協を許さない進歩的なオレ様」を夢想しがちな年頃に、抜本改革を唱えるなと言う方が無理な注文だろう。
とはいえ、税方式vs社会保険方式の論点整理に有用な一冊であることは間違いない。もっとも、論点は整理できたとしても、両者の溝が埋まるかどうかはまた別問題だが(汗)。
さらに詳しい情報はコチラ≫
[PR]風水財布で目指せ!開運。


